ナミからの手紙にゆっくりと目を通し、サンジは受け取ったときと同じようにきちんと折りたたんで封筒に戻した。
そしてポケットから煙草を取り出し咥えると火をつける。
窓から見える海は静かで、いつもと変わらない。
窓縁にはナミの手紙に同封されていた宛名の無い飾り気の無い封筒が無造作に置かれていた。
サンジは深く煙を吸い込むと、仕方ないとばかりにそれに手を伸ばした。
ナミからの手紙と違いペーパーナイフも使わずに指で無造作に開封していく。
きっちりと封はしてあるが中に入れられた紙は突っ込んだと形容したくなるほど乱雑な折り目がついていた。
小さく舌打ちして開くと、その隙間から月光を反射して金の雫が零れ落ちる。
床に跳ね返り音をたてたそれを手を伸ばして拾い上げ、サンジは折りたたまれていた紙片に目を落とした。
そこにはたった一言だけ。
『愛してる』
サンジは煙草の先で紙片に火を移す。
「愛してるよ。」
ジワジワと灰皿の中で消えていく言葉を見つめながらサンジは優しく微笑んだ。
---END---
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手紙シリーズのおまけです。
今回移動に伴って通常掲載としました(笑
サンゾロなのに二人のお話が全然ないので補足的に短いストーリーを入れました。
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