− いつの日か −
ドクリ・・・・・
固い木のベットに寝転ぼうとして、その胸を打った鼓動に、嗚呼とうとうやってきたんだなと思った。
小刻みに震える指先に、鞘が触れ、互いに音を立てた。
それを無様だとは思わない。
いつか来るその時が・・・・来ただけなのだ。
サイドボードから予め用意しておいたメモを取り出しペンを取り上げる。
白紙のそれをしばらく見つめてペンをゆっくりと走らせた。
霞む目に上手く書けたかどうかの確認さえままならず苦笑する。
そしてピアスを外すとそっとメモの上に乗せた。
そのうちの一つを震える指で取り上げ、悩んだ挙句、サイドボードの奥で眠っていた封筒を取り出す。
いつからか仕舞いこまれたままになっていた封筒。
それに無造作にピアスを入れて封をしかけ、記憶をかすめた優しい蒼い瞳に笑みが浮かんだ。
思いついてもう一枚メモを取り上げペンを走らせる。
ピアスをメモで包み込むようにして封筒に戻す。
そして・・・。
・・・・しっかりと封をした。
萎えかける手足を叱咤してメモの下に封筒を置くと、固い寝床に身体を横たえる。
軋む身体に苦しくないといえば嘘になる。
震える手足と、乱れる呼吸。
眠ることが怖いわけじゃない。
闇に消える何かが恐ろしいのだ。
やがて開けていられなくなった目と、闇に沈む意識にふっと笑みを浮かべる。
その時、何を思うのだろうと・・・昔、一度だけ話したことがあった。
消えゆく意識の中、ゆっくりと閉じた瞼に浮かんだのは透明な青。
記憶の中、何処までも広がる、青い、青い海だった。
---END---
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今回、手紙シリーズ移動ということでおまけに一点追加してみました(笑
Letterのゾロのお話になります。
もう書きませんといいつつ補足でサンゾロの雰囲気を追加(^^;
本当にこれでラストです(笑
最後までお付き合い有難うございました♪