## まなざし ##




ハアハアと息を切らせながら二人揃って長い坂を駆け上がる。

「おい、クソ剣士。」
「なんだ、グル眉。」

ゼエゼエと苦しげな息の元でも互いに悪態をつく。

「へっ、どーしたよ、マリモン、もう息上がってんじゃねぇか。」

坂の下から怒声と共に追いかけてくる海軍の姿をチラリと見て、サンジは隣を走るゾロにニヤリと口元を歪め笑ってみせる。
それを同じく鼻で笑ってゾロは自分より微かに遅れて走るサンジに目をやった。

「そういうテメェは走る速度が亀になってんぜ、クソコック。」

一瞬二人の間に激しい火花が散った。
それはよくある光景。
海軍の駐留する島に寄航しては騒ぎを起こし、二手に分かれると、気付くと一緒に走っている。
それはゾロの迷子をナミにきつく言い含められたサンジが、走るゾロを見つけて併走する場合もあれば、海軍と一戦交えているサンジを見つけたゾロがその戦闘に加わり共に逃走に変わることもある。

「お、クソ剣士、あっちの森見えてっか?」

戦闘を避け、走ることに専念したものの、追っ手を引き連れたままの状態にいささかウンザリしたようにサンジがゾロに話しかけた。
どうやら、ルフィ達よりこちらに向かった人数の方が多いようでなかなか相手も数が減らない。
その視線を辿ってゾロは首を縦に振る。
二人が向かう視線の先、道なりに森のような樹木の重なりが見えていた。

「よし、あそこに行くぜ。」

路地をクルリと曲がり、森を目指して駆け出したサンジに一歩遅れてゾロも続く。
一応着いてきているかの確認の為に振り返ったサンジをゾロはジロリと睨みつけた。

「きっちり追って来いよ、迷子剣士。」

ニヤリと笑って前を向いた背中にムッとしたままゾロは走る速度を上げる。
徐々に近付いてくる木立と、背後の喧騒に息を吐きながら足を進める。
森が近付き、林道らしき入口を目敏く見つけたサンジが軽く指差し、合図を送ってそのままそこへと走りこんだ。
その背を追って必然的にゾロも木立の中へと飛び込む事になる。
このまま背後の追っ手が走り去ってくれれば無駄に森の中を走り回らなくて済みそうだ。

「森に入ったぞー!!」

やはりこれぐらいでは撒けないかと疲れたように顔を見合わせ、奥へ向かって走り始める。
林道とはいえ、獣道がやっと形になったようなそこは思った以上に悪路だ。
靴底の厚いブーツのゾロはともかくサンジの靴ではかなり走りにくいのではなかろうかと先行して走っているサンジを見つめる。
しばらく奥に向かって走り、不意にサンジの速度が落ちてきたのを足でも痛めたかと、ゾロは狭い道で肩を並べるようにして走り始めたその横顔を伺う。

「ゾロ、こっちだ・・。」

すっと近寄ってきたサンジに耳元で呟かれたと思えば、いきなり腕を掴まれ、角度を変えて林道から脇の雑木林に飛び込むように走りこむ。
グイグイとサンジに引っ張られるままに走り、小枝にしたたかに身体を叩かれ、慌てて目を庇う為に手を目前へと掲げる。
なにを目指しているのかサンジの歩みに迷いはなく、文句を言いかけたが渋々引き摺られるままに足を進める。

「お?・・・よし。」

先導して走っていたサンジが何かを見つけたのか小さく弾んだ声を出した。
それに問いかけようとゾロが声を出すより早く、サンジの足が植え込みを掻き分け、奥へ一歩踏み出た。
ふわりとした浮遊感といきなり拓けた視界にゾロは息を呑む。

「うあっ!!」

叫びかけた口はサンジの手によって塞がれ、またもズルっと靴先が滑ってそのまま身体が一瞬宙に浮く。
落ちる、とゾロは咄嗟に傍の木に手を伸ばしかけ、その手をサンジに掴まれた。
抗議の声を上げかけた口を再度伸びてきたサンジの手のひらに塞がれる。

「シッ、黙ってろよ。」

腕を掴まれ、ゾロは身構える間もなく、その滑り落ちる身体に抱き寄せられた格好で急な斜面を落ちていく。
不本意ながらもスーツの胸元に頭を抱きかかえられているせいで枝草からの直接の攻撃はあまり当たらない。
時折、小さな音をたてて肌を掠めるそれにかすかな痛みを覚えるぐらいだ。
ゾロの履いている靴も、サンジの履いている靴もそう滑りやすい靴ではないはずだが、サンジは急な斜面と生えてくる草を上手く利用して飛ぶようにしてこの場を滑り降りているらしい。

「クソコック、離せ。」
「まだダメだ。」

先程から耳を掠めていくピシピシとしなる枝の音がゾロは気になって仕方がない。
気のせいでなく、ゾロに当たるよりその身体を腕に抱きかかえているサンジの身体の方にはるかに多く触れているはずだ。

「・・・手が・・。」

身体を寄せているおかげで声をそれほど出さなくても相手に伝わる。
つい思いのまま口に出してしまい、ゾロはらしくない事を言ってしまったと頬を染める。
聞こえたのか聞こえなかったのか、実際、サンジの腕はゾロを離すことをせず、強くその胸に引き寄せられるだけに終わった。
ザ、ザザザと音を立て、トンっと両脚が固い地面に降り立つ。

「おわっ・・。」

滑り降りていた反動でふらついたサンジの身体を今度はゾロがその腰に腕を回し、しっかりと抱き止めた。
サンジの腕はゾロの頭を大事そうに胸に抱え、ゾロの腕はそのサンジの腰にしっかりと回される。
まるで恋人達の抱擁の様な親密さに、サンジはゾロに気付かれないように微かに顔を綻ばせ、どさくさに紛れてその髪に唇を触れさせる。
そしてギュッと一度腕に力をこめて体勢を整えるとサンジは明るく声を出した。

「おっと、こうしちゃいられねぇんだぜ、クソ剣士。」

ゾロの頭と背から手を離し、その手で目的の場所を指し示す。

「アレ、いいと思わねぇ?」

首だけまわしてそちらを見たゾロの動作にサンジは困ったように笑う。
本人は気付いていないのだろうが抱き合ったままで、頭を動かしたゾロの仕草はサンジに擦り寄って甘えているようにみえる。
仲間になって数ヶ月。
喧嘩友達のような開けっぴろげな関係とは裏腹に、サンジはゾロと二人っきりになると早まる動悸に少しだけ困り始めていた。
こう、近寄ると触りたいとか、抱き締めたいとか、キスしてみたいとか、思ってしまうのだ。
どさくさ紛れで触ったり、抱き締めたりは出来ても、この唇に触れることは無理だろうなと腕の中のゾロを見つめる。

「狭いんじゃねえのか?」

逃走途中でチラリと見えたそこは、上空から見ればただの草が崖に沿って生えているようにしか見えない。
だが、実際は張り出した岩から下に向かって草が長く伸びて、岩肌を草がまるで覆い隠すようにしている。
その奥には抉り取ったような洞の入口が覗いていた。
沢に近いこの場所に、まさか崖のような急な斜面を二人が滑り降りたとは思っていないのか喧騒もはるか先から聞こえている。

「さあ?まあ、とりあえず行ってみようぜ。」
「そうだな・・。」

スッと離れてそちらに向けて歩き出したゾロに続いてサンジも歩き始める。
草に潜むものを警戒したゾロが鞘で軽くその場を払い、まるで暖簾をくぐるようにして草を掻き分ける。

「あー、やっぱ、狭い?」

その横から覗き込んでサンジは苦笑した。
上から見たときには二人ぐらいは隠れられそうだと思ったのだが近くで見ると予想よりはるかに狭い。
無言で洞の中に移動したゾロを追ってサンジも足を進める。
パサリと音をたてて草が入口を覆い隠し一気に視界が暗くなった。

「いや、何とかなりそうだ。」

ライターの灯りで周囲を照らし、手近な小枝に火を移す。
入口とは反対の洞の方から空気が流れているらしく炎がフラフラと手の中で揺れている。

「それ、消せ。」

洞の壁に手をついて覗き込んだサンジにゾロの眉が顰められる。

「クソ剣士、てめえ、何とかなるって言わなかったか?」
「ああ、言ったぞ。」

ゾロの答えにサンジも同じように眉を顰める。
たしかに洞の中は湿度もなく、乾燥した土の上に直に腰を降ろして休むことが出来そうだ。
ただし、高さは思った以上に無く、腰を屈めないと中に入れない。
しかも奥行きもさほど無いのだ。

「俺の場所は?」

楕円に抉られたような内部では肩を寄せ合って座るということは出来そうもない。
さっさと自らの場所を確保して腰を降ろしているゾロをサンジは恨めしげに見つめた。

「向かい合って座ればいいだろうが・・。」

ちょっと呆れたという感じでゾロの正面の壁を指差される。
たしかに、無理をすればそこに座れないことはないとサンジは仕方ないとばかりに腰を屈めて移動し腰を降ろす。
足を伸ばしかけてサンジは困ったような顔になった。
座っている角度の関係で、サンジの目の前にゾロの足があるように、ゾロの方へサンジも足を伸ばすことになってしまう。
少しでも楽な姿勢をとるためには仕方ないことなのだが、まるで向かい合って足を絡めたような形だ。
しかも完全に伸ばしきることなど不可能なのだ。

「灯り消せよ?」
「・・・ああ。」

ゾロに促され、サンジは手にしていた小枝を土に擦り付け火を消した。
そうするとやはり洞の中は闇に満たされてしまう。

「夜まで待って帰るか。」
「ああ、そうだな。」

小さなサンジの呟きにゾロの声が答える。
洞の中は静かで、時折、入口の草が風に吹かれたてる音だけしか聞こえない。
あまりの静かさにサンジはゾロが寝てしまったのではないかと苦笑する。
微かに足の角度を変えようと右足を動かした。

「・っあ・・・。」

途端にゾロの口から聞いた事のないような甘い声が零れて、サンジは硬直して動きを止める。
何事が起こったのかと息を殺していると足をグイッと押しのけられた。

「あ・・・すまん。」

ドクドクと早くなった鼓動に暗闇でよかったとサンジは思った。
火があったときは伸ばすというほど伸ばしていなかった足を無意識に楽なようにと伸ばしていたらしい。
角度を変えようと動かした足先がゾロに悪戯を仕掛けてしまったのだろうと理解してサンジは顔を赤くする。
慌てて自分の方へ引き寄せて膝を立てその上に顔を伏せる。
たった一言だが聞いたゾロの声に下半身に血が集まってしまう。
俺って若いよなあとサンジは心の中で苦笑した。

「なあ・・・寒くないか?」

気持ちを落ち着かせようと数を数え始めたサンジはそう話しかけられて膝に伏せていた顔をゆっくりと上げた。
そういえば始めに確認した時に洞の中から空気が流れてきていたのだ。
どこかに穴があるのだろうと思ったがどうやらゾロがいる方にそれがあったようだ。

「俺は寒くないぜ?たぶん、クソ剣士が空気の通り道を塞いでんだろう。」

サンジの答えに小さな舌打ちが聞こえる。
ゴソゴソと身動ぎしているのだろう時々冷たい風がサンジの方へも流れてくる。

「駄目だ、眠れねえ。」

雪の降る甲板でも平気で寝ているようなゾロの言葉にサンジは苦笑する。
まあ、しばらくの辛抱だから起きていろと言いかけて肩に触れた温かい手にビクリと身体を揺らした。

「おま、お前、ビックリするだろうが。」

いつの間に移動したのか正面に座っていたゾロがサンジを覗き込むように近づいてきていた。

「寒いんだよ、場所かわれ。」
「ふざけんな、テメェが先にあっちに座ったんだろうが。」
「いいじゃねえか、どうせ起きてんだろうが。」
「起きてようと、寒いのは嫌だ。なに我儘言ってんだよ。」

声を潜めて暗闇の中言い合う。
かすかにゾロが溜息をついたのを触れた息で感じる。
頬に触れたその熱い息にそれほど近くに居たのかとサンジは顔を赤くした。

「ちょ、てめぇ。」

ダラリと伸ばしてた左足を開かされ、その空いた空間にゾロが腰を降ろしたのを感じる。
強硬手段に出たゾロにさすがに呆れて、仕方ないと腕を伸ばしてその身体を引き寄せる。

「なにしてるエロコック。」
「寒いんだろうが・・。」

背後から抱きかかえる様にして腕を回してやれば、本気で寒かったのか大人しく身体を預けてくる。
ゾロの温かな体温にホッと息を着いて、せっかくだからもう少し密着しようとサンジは身体を摺り寄せた。
ところがいきなりビクンと背を強張らせ、慌てたように腕から逃れようとゾロが身じろぐ。
いったい何事かと、逃すまいと腕に力を入れればゾロはますます怯えたようにサンジから逃げようとする。

「・・・離せ・・。」
「どうしたんだ?」

震えるような固い声に理由を問いただせばゾロの身体がサンジの腕の中でますます強張る。

「・・あたってる・・。」

小さなゾロの呟きにサンジは意味が分からず首を傾げた。

「ケツに・・・てめぇの。」

消え入りそうなゾロの声にサンジは慌てて腕を離した。
そういえばあの声を聞いて兆しかけていたところに、触れた息とかで、一瞬だけ頭の中でゾロを裸にしてしまったのだ。

「わ、悪い、ただの生理現象だ。」
「生理現象?」
「ああ、暇だったから、ついイロイロ考えちまってて。」

サンジの言い訳を信じたのか、フーンと言ったきりゾロはそれ以上は逃げようとはしなかった。
そして、安心したのか先程サンジに抱き寄せられた時と同じように身体を寄せてくる。

「驚かせるなよ、クソコック。いきなり後ろでおっ立てられたらびびるだろうが・・。」

苦笑交じりのゾロの言葉にサンジも笑うしかない。
まさか、ゾロでそうなったと思っていない本人はいたって気楽なものだ。
温かさを求めてか、悪戯心が沸いたのか、ゾロはサンジに身体を擦り付けてくる。
余計な刺激を受けて息を詰めたサンジにゾロは楽しそうに笑った。

「抜いてやろうか?エロコック。」

クスクスと笑うゾロにサンジは勘弁してくれと天を仰ぐ。
退屈なところに持ってきてサンジの反応が面白くて、暇つぶしにちょうどいいとでもゾロは思ったのだろう。
それでなくても擦り寄ってくるゾロの体温とか、腕に触れる熱い息とかから、サンジが必死で意識を逸らそうとしているのを気付いた風もなく刺激してくれる。
まさか、本当に襲われたくなければ大人しくしておけとも言えず、サンジは身体をずらしてはほんの少しだけゾロから逃げるといった動作を先程から繰り返していた。

「へえ・・・。」

普段、憎たらしげな態度しかみたことがないサンジの、そんな困惑したような、怯えたような仕草がゾロは楽しくて仕方が無かった。
だいたい、こんな場所で状況も考えずに勃てたサンジが悪いのだ。
先程サンジに怯えてしまったこともバツが悪くて、もうしばらくからかってやろうとゾロはサンジに顔を寄せた。
そして意識して耳元で甘く囁いてやる。

「・・サンジ・・。」

ゾロに囁かれ、ふっと耳元に息を吹きかけられるに至ってプッツンとサンジの中で何かが切れたようだった。

「ば、バカ、何やって。」

グイッと腰を抱き寄せられサンジの手が布地の上からゾロを掴んだ。
あきらかに勃起させようと刺激を与え始めたサンジにゾロは慌てて逃れようと身体を捩る。
まさかサンジがそういった報復に出てくるとは思ってもいなかったのだ。

「ひっ・・。」

無防備に晒された耳の後ろをきつく吸い上げられて身体が強張った。
電撃のように身体を走った甘い刺激に息を呑む。
ペロペロと熱い舌でそこを舐められゾロは固く目を閉じた。

「わ、・・・悪かった、クソコック。」

グリグリと腰に押し付けられるサンジの熱量から逃れようとゾロは身を捩る。
かすかに震える手でサンジの腕を振り解こうとしても頑強に腰を戒めている腕は少しも力を緩めてはくれない。

「ごめ・・・。」

謝罪の言葉を口にしかけたゾロにサンジが笑ったのが分かった。
片手で軽く動きを封じられて、ろくに抗うことが出来ないゾロにサンジがニヤリと笑う。

「抜いてくれるんだろう?クソ剣士・・。」

スルリと忍び込んできたサンジの手に太腿を撫で上げられて声を上げそうになる。
さあっと鳥肌立った腕を口元に宛てながらゾロはキッとはサンジを睨み付けた。

「安心しろ、てめえのもきっちり抜いてやるよ。」

優しく笑った顔はあきらかに怒りを宿していて、ゾロはやりすぎたことを悟った。

「あっ・・・・。」

だが、悟ったからといって今更どうしようもないと、ゾロはサンジに縋って必死で声を殺しながら、うかつな自分を罵倒していたのだった。








「いーい、夜だな。」

バサリと音をたてて草を掻き分け、洞から外へと出たサンジはゆっくりと身体を伸ばす。
その後ろからヨタヨタと出てきたゾロに煙草に火をつけながらサンジが眉を寄せた。

「なんだよ、だらしねえなあ。」
「・・・うるさい。」

昼間の騒動が嘘のように静かな森にゾロは深く溜息をついた。

「たった、2発抜いてやっただけだろうが。」

煙草の煙を吐き出しながら笑われてゾロは言葉に詰まる。
まさかその過程が長すぎて疲れたとは口が裂けてもいえない。
しかも、最後の1回はゾロの的外れな手淫に焦れたサンジが向き合うようにゾロを抱えなおし、抜きあいとはとても言えないような・・・まるでセックスのような行為で濃厚に互いの熱を分け合った。

「ほら、帰るぞ?」

スッと差し出されたサンジの手を見て、その手が自分に触れていたことを思い出してゾロの頬が赤くなっていく。
サンジにとって暗闇だったかもしれないが、ゾロにとっては多少視界が悪いと思うぐらいで洞の中は良く見えていたのだ。
ゾロに絡みつくように動いていたサンジの指の動きも全部。

「どうした?クソ剣士。」

夜の闇にサンジにはゾロが赤面してるのは分からないのだろうとおもう。
悪戯の仕返しように始まったそれの間、サンジがどれほど愛おしそうに優しい眼差しでゾロを見つめていたのかとか、きっと本人は気付いていないし、ゾロに見られていたとは思ってもいないだろう。
逆にそれに気付かされてしまったゾロはどうしていいのか分からない。

「早く告白してこい、クソコック。」

小さく呟き、ゾロは赤い顔のまま伸ばされたサンジの手を掴む。

「ん?なんか言ったか?」

ギュッと手を握り返して並んで歩き始めたゾロにサンジは目を向ける。

「何も・・・。」
「・・・そう?」

メリー号までに着くまで約1時間。
行きとは違いゆっくりと足を進める二人の影が静かに森の中に浮かび上がっては消えていった。




END++

SStop
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初々しい(?)カップル未満のお話です(たぶんね
さりげなくゾロ喰われかけてますが(笑
しかもナチュラルに手を繋いでますね・・・この人達・・・・
なんか書いてて久々に『甘いぞー』って思いました(笑


(2005/10/16)