爪ヶ城

 爪ヶ城は、那岐三山の一つ広戸仙頂上付近に位置し、標高1075mで岡山県では最も高い所にある中世山城です。縄張りは、主郭の南側に前面に土塁を配した曲輪があり、堀切より東側には削平地、また先端にも堀切を配しています。この城は眼下の矢櫃城の詰めの城の意味合いを持っているものと思われます。高地に位置することから、那岐山を活動の場にした修験道に関連した寺社勢力が築いた可能性が考えられます。戦国時代には、美作菅家一族の広戸氏が居城としていましたが、尼子氏により落城しその後再び広戸氏により再興されましたがまもなく廃城となっています。

             爪ヶ城縄張り図     作図 山形省吾氏