医王山城

 医王山城は、津山市吉見にあり加茂川を見下ろす標高340mの山頂に築かれた連郭式の山城で、岩尾山城・祝山城とも表記されます。美作から因幡に抜ける街道の要衝として、その役割を果たしてきました。縄張りは北側を大手、南を搦手とし、北端の本丸には石垣が築かれ、また瓦が散乱していることから瓦葺きの建物の存在を確認できます。また三の丸南斜面には放射状畝状竪堀、大堀切を備え南からの守りを固めています。
 築城年代は確定できませんが、南北朝期以前と考えられます。戦国時代末期には毛利氏に属し宇喜多・羽柴勢と2年にわたる攻防を繰り広げ不落を誇りました。

                医王山城縄張り図        作図 山形省吾氏