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読み物>>津山の植物・里山をのぞいてみよう 第4回 |
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第4回 万葉の植物(上)
鏡野町に『万葉の道』という公園があります。万葉の植物を配した植物公園で、全国各地にもあるようです。万葉集に収められている4,516首のうち、実に1,700余首の歌に植物が詠まれています。今回は、詠まれている植物を首数の多い順にいくつか紹介します。
第1位 萩(ハギ)(141首)
萩を詠った歌は、その数で他を圧倒しています。萩は、万葉集の前半では「芽子」、後半では「波疑」という万葉仮名で表わされています。笠金村は奈良時代の有名な宮廷歌人です。
第2位 梅(ウメ)(118首)
次に多いのが梅です。梅は遣唐船かそれ以前に、中国から人々ともに渡来したものです。大宰府の長官
大伴たびと旅人が任地で夫人を失って帰国、郷里の庭に亡き妻が植えた梅の花を見て、故人を偲んで詠んだ歌です。
第3位 松(マツ)(81首)
松の代表的な1首は、孝徳天皇の子 有馬皇子が済明天皇の4年、中大兄皇子によって謀殺されます。これは、そのとき疑惑をかけられて死地に連行される途中で詠んだ歌です。
(4位の藻、5位の橘、6位のヌバタマはいずれも津山には無い植物ですので説明を省きます。)
第7位 葦(アシ)(47首)
葦は記紀※にも"豊葦原瑞穂国"と書かれて、記録上日本の古典に登場する最初の植物です。葦辺は海の干潟にあり、津山の上横野のあしむら葦群
写真 とは趣が違います。葦は"悪し"に通じ、忌み言葉とされたため室町期に"よ良し"と読み方を変えます。 ※記紀…古事記と日本書紀
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ススキ |
第8位 薄(ススキ)(46首)
葦と共にイネ科の大型多年草 薄は、元正天皇の長歌の中に
と詠われ、古代から屋根葺き材として活用されていました。その頃の屋根は薄の葉先を下に向けて「逆葺き」していたのでしょう。昭和の初めまでは、農村の民家の草屋根を共同で維持するため、村々の奥山に"かやば茅場"を設け、里山の点景にもなっていました。薄は尾花、茅、萱とも書かれます。
万葉集は、これらの歌に見られるように、遥かな歴史の彼方、日本文化始まるころの、人々の生きてきた様子を浮かび上がらせてくれるのです。
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