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読み物>>津山の植物・里山をのぞいてみよう 第3回 |
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第3回 破壊されたツクバネの群落
この夏、上横野の二の滝上部で、久しぶりにツクバネの花を観察しました。対生の葉が奇麗に並んでいる先に、羽子板の羽根のような果実が付いていました。
このツクバネについては、平成7年の秋、林道工事が行われて、林縁が大きく切り取られてツクバネやジンジソウなどの群落が失われました。これを機会に私たちは、これまで観察してきた植物をまとめて『貴重種・希少種植生マップ』を作成して今後の開発や道路整備などの際の、自然破壊の防止に役立ててもらいたいと公表した経緯がありました。
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上横野のツクバネ |
そして昨年、市内川 さて、日本列島に生育している植物は、草木やシダなどおよそ6000種と云われています。環境庁のレッドデータブックによれば、この日本の植物のうち約31%にあたる1887種が準絶滅危惧種以上に数えられています。私たちの身の回りで、近年緑の山野が開発され、コンクリートで固められ、道路は農道や林道に至るまで舗装され、里山は手入れされないまま放置され、先祖代々大切にしてきた村里が、荒廃の一途をたどってきました。
こうした傾向を一層悪化させたのが、大手ゼネコンなどが開発プロジェクトの周辺に群がり、利権を求めて狂奔した、中国自動車道の開通を控えた頃でした。この美作にもこうした時期があって、多くの植物が美作の里山から消えていきました。
『岡山の野の花 春』(山陽新聞社刊)にオキナグサについて、「かつては全県下で見られたが、最近は南部では見られなくなった」とあります。オキナグサは神楽尾山では60年以上前に、日本原高原では35年前に消えていき、また高清水高原の尾根上でこの20年ほどで消えていきました。津山市では昭和30年代の除草剤のため、上横野の湿田でデンジソウが消え、同じ頃田熊の草刈り山でウメバチソウが無くなり、神楽尾の谷間では昭和50年代コケイランが最後を迎え、また篠山山系南面の中央町との境にあった湿原が、養鶏場建設のために開発され、サワギキョウの群落が消えました。崎の丘陵上に僅かに残っていたササユリの小群落が造成のため消えました。
今迄に私が見てきた津山の植物の消滅の幾つかの例です。ほかにも年寄った私に知らせる事もなく、幾つの植物が津山の里山から消えて行ったでしょうか。
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